BARでひとり、男性が静かにグラスを傾けている。
そんな時、画になるのが「スコッチ」です。
今は世界で広く飲むことが出来る「スコッチ」ですが、ここまで至るまでには長い歴史があることをご存知でしょうか。
今度スコッチを召し上がるときには、その歴史を体感しながら飲むと、より味わいが深くなるかもしれません。
スコッチの本場は「スコットランド」!薬品から密造酒、そして栄光へ!
蒸留酒が中東から伝わり、スコットランドでは修道院で「アクアヴィッテ」という医薬品が製造されます。
実はこれが、スコッチの起源なんです。
「アクアヴィッテ」はラテン語で「命の水」を意味します。
ある意味において、正しい名称だったのかもしれません。
当時はジャガイモで作られていました。
お酒として飲まれるようになったのは、17世紀頃です。
大麦を最も効率よくお金に変えるには、お酒を造るのが一番でした。
そのためスコットランドではスコッチが大いに作られるようになります。
これを見た当時のスコットランド議会は、スコッチに課税を行うことを決定。
さらにその後、イギリスに吸収されるとスコッチ・ウイスキーは大量の課税を強いられることになったのです。
これに困ったスコットランドの一部の人間は、「密造酒」を山の中で作ることにします。
作られたのはピートを燃やしてエネルギーを得たウイスキーでした。
スモークのにおいが強く、この匂いを消すためにシェリー樽に彼らはウイスキーを詰め込みます。
シェリー樽の中で酒は発酵し、現在のスコッチウイスキーとなりました。
英国王ジョージ4世は19世紀、この一風変わったスコットランドのウイスキーを飲んでみたいと言い出します。
こうして密造酒だったスコッチウイスキーは、イギリス国直営の工場で作られるようになりました。
たくさんの種類があるのは、多くの製造所が出来たから
スコッチウイスキーがイギリスで認められると他の業者もスコッチウイスキー作りに参入し、大儲けをたくらみます。
大麦から作られるモルト。そしてトウモロコシや小麦のグレーン。
さらにそれらを混ぜ合わせたブレンデッド。
こうしてイギリス人の舌に合わせて作られる酒は増え、スコッチウイスキーは現在でも人気を誇る、歴史ある酒となったのです。
現在「スコッチウイスキー」と言えば大麦・ライ麦・トウモロコシを蒸留したもので、
ピートを焚いて完成させるお酒として、知られるようになりました。
実は「スコッチウイスキー」として認められるのは、条件があります。
「蒸留はスコットランドで行う」「原材料は大麦などの穀物、そして水、酵母のみ」「3年以上オーク樽で寝かせる」といった
厳しい条件をクリアしたものが、正式なスコッチウイスキーです。
手間と時間がかけられているお酒ですから、ファンが多いというのも納得できることでしょう。
おすすめのスコッチ「ブレンデッド」の飲み方
飲みやすいスコッチウイスキーは「ブレンデッド」の種類のものです。
モルトとグレーンのそれぞれの良さを取り込んだお酒で、クセがそれほど強くないため、初心者にもお勧め出来ます。
「ブレンデッド」のスコッチで有名なものが、「シーバスリーガル」。
ウイスキーのプリンスとも呼ばれており、ナッツの風味やフルーツの香りが堪能できます。
スコッチの飲み口独特のきりっとした口当たりも好評です。
日本のBARではこうした素敵なスコッチウイスキーを数多く取り揃えています
代表的な飲み方としては、
アイスボールを使った「オン・ザ・ロック」。
一気に飲むのではなく、アイスボールを回しながらゆっくりと味わうのがお勧めです。
まさに「男の憧れ」の姿でもあります。
水割りやお湯割りでの飲み方も可能です。
お湯で割ると香りが一気に漂い、トッピングとしてジャムなどを使用するととても温まります。
まとめ
独特な香りと琥珀色の美しさが魅力の「スコッチウイスキー」は、一気に飲むものではありません。
その歴史のようにゆっくりと丁寧に味わうものです。
たまにはひとりで優雅な時間を過ごしたい。
そんな時にはBARでスコッチを味わってみてはいかがでしょう。