華やかな印象で誰でも気軽に楽しめるスパークリングワインですが、知っておくとさらに深く楽しむことができます。
そこでソムリエがスパークリングワインをより楽しむための知識について3つご紹介します。
①スパークリングワインとシャンパンの違い
スパークリングワインとシャンパンって何が違うの?と
疑問に感じると思いますが、根本的に製法からすべて異なる飲み物です。
身近なところでいえば「地ビールと第3のビール」では大きく味が異なる感覚と同じで、
使われる原材料は大きく違いませんが、その後の製法がまったく異なります。
簡単に表現すると「シャンパン(正式にはシャンパーニュ)は瓶内で自然発酵させるスパークリング」ということで、
瓶内で長期間発酵させることで自然な炭酸が生まれとてもキメの細かな泡が生成されます。
したがってドンペリニオンなど高級シャンパンを口にしたとき心地よいムースのような泡を感じることができます。
それに対して「スパークリングは炭酸を別に注入するワイン」という製法で、
いってみれば炭酸飲料と同じ製法によって泡を作っています。
したがって泡のキメが粗くサッパリとした口当たりとなり、とくに日本人には請けの良い感覚のワインとなります。
②同じスパークリングワインでも国によって味が違う
ひと口にスパークリングワインといってみても、
フランスだけではなく様々な国でスパークリングワインは製造されています。
スパークリングという言葉はいわゆる「ジャンル」を指す表現方法で、
イタリアではCAVAなど国によって違う呼び方がワイン法で定められていますが製法はスパークリング製法のワインです。
このスパークリング製法で製造されたワインというのは国によって基準が微妙に異なり、
同じ原理で製造されていますが細かな部分で基準が異なるため国によって味わいにも違いが出るのが特徴です。
スパークリング製法でワインを製造する国は多くありますが、
その中でもとくにイタリアのCAVAなどはやや泡のキメが細かく高品質な味わいになるのが特徴です。
このようにスパークリングワインといっても国によって味わいが異なりますので、
国による味わいの違いを楽しむというのもまた面白いかもしれません。
③スパークリングワインと相性の良い料理
スパークリングワインと相性の良い料理は、
いわゆる「前菜」と呼ばれるジャンルになります。
たとえば結婚パーティの前席で提供されるカナッペ類などはスパークリングワインとの相性はバツグンで、
トッピングされている材料もアンチョビやチーズなどスパークリングワインの味わいを
さらに活かすという特徴を持っているのが一般的です。
また前菜類以外ではシーフード系全般はスパークリングワインとの相性がピッタリで、
発泡性があるため白ワインよりも「濃い味」のシーフード料理と組み合わせることで
おいしいマリアージュを楽しむことができます。
ただしスパークリングワインといってもロッソ・スプマンテなどと呼ばれる「甘口」から、
ブリュットと呼ばれる「辛口」まで味はさまざま。
基本的に甘口スパーリングワインはデザートやフルーツとの相性が良く、
辛口では牡蠣など魚介系料理との相性がよくおすすめの組み合わせとなります。
・まとめ
バーなどでスパークリングワインを注文するとき、バーテンダーの立場では、
「スパークリングワイン製造国から最もおいしい商品」を選んで提供することが大きな使命となります。
スパークリングワインをアレンジすることなくそのまま味わうという場面ではとくに重要で、
お手軽価格で楽しめるスパークリングワインの中からいかに「おいしい!」と
喜んでいただけるワインを探し出せるかというのがプロの技になります。
もし初めて訪れるバーでスパークリングワインをショットで提供している場合は「まず注文をしてみる」というのも、
そのバーがもつ実力を良く分かるためバー選びとして1つのポイントになります。